県民共済住宅 初回相談・概算見積・決め手を解説

ども。えいひれです。今回は県民共済住宅初回相談と概算見積、決定した理由について下記ます。

前回までのあらすじ。『土地の売買契約を済ませ、「B不動産で建物契約を進めよう」』としていた私達。しかし、偶然妻の渡したチラシ「県民共済住宅」に俄然興味を持ってしまう私。情報をまとめつつ『注文住宅「県民共済住宅」徹底解説、6つの特徴』、B不動産で建物請負契約をするには「土地売買の日付から3ヶ月以内」だ。時間がない。私は県民共済住宅にさっそく問い合わせてみた。

県民共済住宅 初回住宅相談:現在はオンライン予約も可能に

すぐに初回相談の予約を取ろうとしたが、次の土日の予約は塞がっていた。
なんとか夫婦で有給休暇を合わせて月内平日に予約を取って初回相談に向かった。

※2021年3月当時は電話での相談予約だったが、現在(2022年2月~)はオンラインから住宅相談予約が可能になりました。
参考リンク:県民共済住宅 公式サイト

2階建37坪=概算見積:1873万円税込

県民共済住宅の初回相談で対応していただいたのは女性の建築士の方だった。

(こちらの話を丁寧に聞いて、答えてくれる)

そんな印象を受けた。

私達の質問を遮ったりせず、また、判りづらい質問も最後まで話を聞いてから、かみ砕いて回答に落とし込んでくれる。とても印象が良く、(この方に設計をお願いできたらいいな)と感じた。※もちろんそんな事はできないし、そうはならなかった。

さっそく私達の希望間取り(37坪 2階建)で見積を作成してもらった。

初回相談:概算見積37坪で1873.2万円

37坪で1873万円(税込)。坪単価は50万/坪くらい。

金額はすべて込み込みの価格。家の建築費用の他に、希望するオプション、外構費、契約の諸経費、ガス水道電気や地盤改良費などもすべて含まれている。

私達の場合、地盤改良の不要やオプションの前後は色々あったが、実際の建物請負の契約金額もこれに近い額だった。きちんと希望を伝えることができれば、精度は高いのではないか、と思う。

以下詳細について見ていこう。

各内訳:総計1873万税込

「37坪:1873万円税込」の内訳は下記4項目に分けられる。

  • A.本体工事・本体外工事:1734万
  • B.その他工事費:55万
  • C.諸費用:56万
  • D.別途他社工事:27.5万

4つの費用の各内訳(A、B、C、D)は次の通り。

内訳A.本体工事・本体外工事:1734万税込

Aは家本体にかかる費用だ。
まず、『県民共済住宅の坪単価31.8万円』は『税込34.98万円』となるので、35万円/坪(税込)で記載している。※その他もすべて税込で記載

  1. 家工事:37坪×35万円/坪=1295万円
  2. 外部排水=88万円 ※敷地調査によっては不要
  3. 特殊基礎=95.7万円 ※地盤調査結果によっては不要
  4. 雑工事=25.3万円 ※一時預かり金
  5. 高断熱仕様=42.9万円
  6. 食洗器=10万円
  7. 食器棚=18.7万円
  8. 他=70万円 ※乾太くん、L字建物、土間収納
  9. 1階OP洗面台=7.7万円
  10. 2階に洗面化粧台追加:15.4万
  11. エアコン5台:59.4万円

合計:本体工事・本体外工事:1734万円税込

内訳Aは主な家の本体価格と同工事費用だ。

外部排水、特殊基礎はとりあえず計上。現地調査によっては不要になるかもしれない、とのこと。

追加費用:各オプションの費用

私達の場合、初回相談でやりたい事として以下のオプション希望を伝えた。

  • 5.オプションの高断熱仕様(42.9万円税込)
  • 6.食洗器=10万円(浅型/深型不明)
  • 7.食器棚=18.7万円:カップボード(妻希望)
  • 9.1階の玄関洗面台(妻希望)
  • 10.2階の追加洗面台(私希望)
  • 11.各部屋にエアコン計5台:59.4万円

などが主な追加オプションとして伝えた。

また、その他70万円は下記費用の総計となる。

  • ガス乾燥機の乾太くん(妻希望)
  • L字型建物
  • 土間収納

など。

残念だった発泡ウレタン吹付断熱の終了(2021年3月契約まで)

断熱・気密を重視していた私達にとってオプションの「高断熱仕様」は外せないものだったが、希望していた発泡ウレタン吹付断熱のオプションは2021年3月契約で終了していた。今後の「高断熱仕様」はグラスウールの厚みと素材が変わるそうだ。『発泡ウレタン吹付断熱』の一番のメリットは施工品質の安定だ。グラスウールでは、いかに厚みと素材が変わろうと、正直施工品質が一番心配だ。

というわけで、吹き付け断熱の廃止は個人的には非常に残念。今後出来れば復活して欲しいオプションの一つである。

高断熱仕様のオプションはとても高額となるため、発泡ウレタンの吹付が終了した今、厚みと素材が若干変わる「高断熱仕様」のオプション導入は最後まで迷ったが、思い切ってやってみる事にした。

B.その他工事費:55万税込

Bは外構費用が主。

  • 外構工事:55万(コンクリート、防草シート)

合計:その他工事費用 55万円

私達の契約した土地は31坪。建ぺい率60%なので外構面積は10坪程度で広くない。

そのため、前面コンクリートと周囲の防草シートで55万円との見積だった。
※現在外構見積中だが、この数字から+100万くらい膨らみそうです。

C.諸費用:56万税込

Cは水道加入料金や登記費用などの費用だ。

  • 水道加入金:20万円
  • 登記費用:18万円
  • 諸雑費:18万円

意外に高いのが水道加入金。私達の場合、新規分譲地で現在はガスも水道も引かれていないため費用がかかるとの事。金額は13mm、20mm、25mmなどによって異なるが、今の戸建では20mmが多い。

これは市によって結構異なるので、『市の名前 水道加入金』で検索してみよう。

D.別途他社工事:27.5万税込

Dは他社の工事費用となる。

  • 都市ガス工事費:27.5万円

これも初回の施設費用がかかるらしい。
私達のエリアは都市ガス提供が可能なため、上記金額となるようだ。

初回相談は大体1時間30分くらいで終わった。

頂いた概算金額を元に妻と相談してみることにした。

比較:県民共済住宅とB不動産フリープラン

今まで調べた情報から、B不動産のフリープラン住宅(妻推し)と県民共済住宅をまとめてみた。

 県民共済住宅B不動産 フリープラン住宅
印象マニアック、施主力?○まとまり、妻推し
価格△122㎡(37坪):1873万円
△115.7㎡(35坪):1794万円
○95㎡(28.7坪):1300万
※1坪拡張=55万円
◆坪拡張した倍
121㎡:+8坪(36.7坪)=1740万
115㎡:+6坪(34.7坪)=1630万
104.8㎡:+3坪(31.7坪)=1465万
耐震等級3○標準対応×対応不可
屋根○瓦屋根
洋瓦/和瓦/F瓦
△スレート
※コロニアルクァッド
外壁○ALC標準対応△サイディング
※ALCオプション=70万円~
床材標準:ウッドワン (突板)
標準:ダイケン ニレ(WPC床材)
OP:朝日ウッドテック 挽き板
OP:ダイケン トリニティ(シート系)
OP:ウッドワン 無垢板ピノアース(針葉樹)
永大産業 スキスムSフロア(シート系)
OP:朝日ウッドテック 挽き板
○ 樹脂窓
YKKAP APW330
△アルミ樹脂複合
キッチン標準:LIXIL リシェルSI
標準:クリナップ STEDIA
標準:タカラスタンダード GRANDIA
標準:LIXILシステムキッチンAS
断熱材標準仕様:グラスウール 天井155mm、外壁90mm
高断熱仕様:グラスウール 天井200mm、外壁105mm
吹付け断熱 天井100mm、外壁75mm
その他・エアコン5台=59万円・エアコン5台=77万
○外構・水道・ガス・地盤改良をすべて含む
○スキップフロアがおしゃれ
×他オプション=100~150万

B不動産の標準の広さ95㎡(28.7坪)で、坪単価の拡張を考えなければ、B不動産はかなりお得だと感じた。また、デザインや色合いも流石に上手くまとまっており、妻はB不動産のフリープラン住宅を推していた。スキップフロアも妻のお気に入りだった。

「県民共済住宅はなんか大変そう。」

一方で家を広くしようとした場合、例えば同じ35坪~37坪で比較してしまうとB不動産と県民共済住宅の価格差はそれほどなくなる。

また、屋根や外壁、床材や窓、浴槽やキッチンなどの標準仕様についても県民共済住宅の方がグレードが高い。オプションの追加費用についてもほぼすべて県民共済住宅が安い。

例えば床材で朝日ウッドテックのライブナチュラルプレミアム(ラステック)という下を噛みそうな挽き板系の床材を導入した場合、県民共済住宅の方が30%ほど安かった。

「キッチンは県民共済住宅の方が色々選べて良さそうだね。」

スキップフロアと耐震性はトレードオフ?

B不動産で見学した家の多くはスキップフロアがある間取りだった。

スキップフロアや吹き抜けは新鮮で、とても眩しい設備に写った。

ただ、構造上の吹き抜けとなるスキップフロアでは床となる水平構造のつながりがなく、耐震等級3の取得が難しい(出来ないわけではない)。

松尾さんの構造塾:スキップフロアと耐震性

B不動産では、「耐震等級3の取得は出来ません。」と言われたが、構造上の理由と考えれば仕方がないのかもしれない。

スキップフロア・吹き抜けは私達に本当に必要?

吹き抜けは開放感や日射取得などの数多くのメリットがある。

一方で、空調効率、音や匂いなどが伝わりやすい吹き抜けやスキップフロアについて、個人的には長期的な目線で考えると、少し冷静になってしまう自分が居た。

「最初はすごく良いと思ったけど、音や匂いとか響きそうだよね。」

「県民共済住宅」と「B不動産」の選択肢、どっちを選ぶ?

妻は言った。
「もう答えは出てるんでしょ?」

私は何も言わなかった。いや、言えなかった。

そう、妻の察している通りだ。

既に私の中で答えは出ていて、それは妻の望む答えとはおそらく違っていたからだ。

結論:どうして「県民共済住宅」を選んだか?家作りで大切なこと

私なりに「県民共済住宅」を選んだポイントを書いてみたい。大きく分けて3つ。

  1. コストパフォーマンスが高い
  2. 耐震等級3に標準対応
  3. 楽しい家作りが出来そう

1.コストパフォーマンスが高い

選んだ理由一つ目はコスト、お金の問題だ。

各設備品のグレードが高く、同じコストをかけた場合、費用対効果ではB不動産よりも「県民共済住宅」の方が広くて快適な家が建築できると考えた。

家作りに「もし~」はないが、予算が潤沢にあったら、たぶん『家は性能』の「一条工務店」で建てていたと思う。
※「一条工務店」の施主はYouTubeをやっている人が多い印象。御見積を拝見したが明らかに予算オーバーでした

2.耐震等級3に標準対応

理由2つ目は「耐震等級3」の取得が大きい。

これからどんな震災が来るかは解らない。それ故に大事な家族が暮らす家でこの耐震等級3が取得できる事はとても大きいと感じた。

3:楽しい家作りが出来そう

理由3つ目、これが一番大切で県民共済住宅の「家作り」が楽しそうだったから。

色々なハウスメーカーで話を聞いて悩む事も少なくないだろう。

私の最終的な基準は「家作りを楽しめるか?」で考えていた。

B不動産で駅徒歩12分を8分と言ったbさん。ちょっと頼りない所もあるけれど好感が持てるTさん。

B不動産で建てるのも悪くはないだろう。
ただ、「県民共済住宅」で家を建てる方が色々面白そうと感じた。

2022年2月現在、実際「県民共済住宅」でマイホーム建設を進行しているが、やはり楽しい。

設計士さんとの打合せ、その資料を土日ずうっと作ったり、3Dマイホームデザイナーで朝まで夫婦二人で間取りを考えたり、時には子供に意見を聞いてみたり。そして、建築が始まり、現場監督さんとあれこれ相談したりされたり、建設中の現場で大工さんに毎週会いに行って話したり、その一つ一つがとても大切で楽しい時間だった。

もちろんすべて楽しい事だけではない。
トラブルも多少はあった。設計とは違う造りになっていたり、頼んだ仕様が付いてなかったり、夫婦で意見が違えて喧嘩みたいになってしまう事も少なくなかった。でも、その過程も良い思い出にしたい。

注文住宅作りは約1年かかる、とにかく楽しもう

家作りの優先順位は人によって様々で、『家の性能』、『担当との相性』、『家作りに使える時間』、『お金の問題』、『その他色々』、家を作る人がそれぞれ全員違っていい事だと思う。

注文住宅の家作りは、短くて半年、長くて1年以上の付き合いになる。

私は人生で「家を建てる」のは初めてだった。おそらく多くの人がそうだと思う。

結局どのハウスメーカーを選んでもいい。

でも、家を作るなら、楽しい方が絶対に良い家が作れるような気がする。

私は「県民共済住宅」へ初めて相談に行った時、「自分で調べて建てる」ことを覚悟した。「他責」ではなく「自責」で家を作る覚悟。そう決めてしまうと同時にとても楽しくなる気がした。いつだって本当に面白い事は、受け身ではなく能動的に自分で決めて行動する時だった。

他のハウスメーカーには無い特徴、家作りに施主自身が色々関われる。
県民共済住宅を選択した理由だ。

妻は言った。
「いつもそうだよね。」(呆)

私は言った。
「いつもありがとう。」

微妙にかみ合わない会話。

次回は、県民共済住宅で申込(予約)にあたって大きなハードルとなったその独自ルールと住宅ローンについて書きたい(つづく)

By えいひれ

二児のパパです。ウェブのお仕事をしている傍ら、子供と一緒に遊ぶ日々。

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